塾長 東條 潤と向久保 裕介の対談|大阪から昆布の魅力を発信|大阪昆布塾
対談
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〝昆布愛〟
鶴橋・天満の昆布店「吾妻屋(あずまや)」と、
都島の和食処「炭火割烹 いなせ」両店の店主が運営している「大阪昆布塾」。
〝もっと昆布の魅力を知ってもらいたい〟という熱い想いから、当塾を立ち上げました。
昆布に惚れ込んだ2人がその歴史・種類・特徴といった〝昆布文化〟を発信。
「出汁教室&実食会」を開催し、より深く昆布出汁に触れていただく機会も設けています。
当塾をきっかけに昆布をより身近に感じてもらえればと思います。
塾長 向久保 裕介 / 塾長 東條 潤
別々の道を歩んできた同級生二人が
昆布について語る
向久保塾長 = 向
東條塾長 = 東
向:最近、温暖化のせいもあって天然昆布の価格が高騰して、おれ自身の仕事に影響が出てるけど、当然ジュンの仕事でもその影響はあるんちゃう?
東:そうやねんな。価格の安いお徳用の出汁昆布もあるけど、やっぱり肉厚の天然物じゃないと取れへん出汁があるから。仕入れも大変やけど、これからもそこを拘っていくことは変わらへんかな。
向:養殖の昆布も、それはそれで優れた部分を持ってるんやけどな。出汁を取るためであったり、食べるためであったり、天然と養殖とで本来の使い方は全く変わってくるからな。
東:結構そこの使い方を混在してしまっているのは、世の現状ではあるよな。ただ、料理人としてお客様に感動するほどの味を届けるためには、そこの使い分けと仕入れには、妥協せずに拘っていかなあかんなと。
向:そう考える料理人がおることは生産者の方からしても嬉しいことやと思うで。やっぱり自分が提供するものの良さをちゃんと理解して使ってくれてるのは有難いことやし。
東:そういえばユースケは北海道まで実際に漁師さんに会いに行ってたよな。それも関係値が全然築けてなかった頃に。
向:自分がお客様に売る昆布が、どこでどういう風に生産されているのかであったり、生産者の方がどんな想いで作っているのかを知ることは、すごく大事なことやと思ったからな。
東:それは料理を提供する上でも共感できるわ。この食材にどんな想いが込められてるのかを知ったうえで、口にする料理の味は何も知らずに食べるときと感じ方も違うからな。
向:おれが感じた漁師さんの想いの部分も含めて、昆布の価値をこの活動を通して伝えていきたいな。
東:いいな。おれも生産地巡ってみたいし、この塾でいつかツアー的なことをしてもいいかもしれへんな。
吾妻屋 取締役
向久保 裕介YUSUKE MUKAIKUBO
大阪府出身。
老舗の昆布屋を営む両親の元で育ち、先代からの伝統を守り続ける姿に感銘を受け、昆布屋として自身も引き継いでいくことを決意。現在、大阪に本社工場と3つの店舗を構える「吾妻屋」の取締役として2017年に就任。
炭火割烹 いなせ 店主
東條 潤JUN TOJO
大阪府出身。
鮮魚店を営んでいた両親の背中を見て育ち、「魚」に触れる環境で育つ中で、飲食店に興味を持つようになる。日本料理店や寿司店、和牛懐石店など様々な経験を積んだ後、2020年に大阪市都島区にて「炭火割烹 いなせ」をオープンする。